助成金制度、何だかなあ。

雇用保険と聞いてまず思いつくのは、辞めた後にもらえる失業手当(=基本手当)だろう。では、辞めなければ個人的には何の恩恵もないのか、会社だって保険料を負担してるのに何もなしか、というとそうではなく、雇用保険3事業(①雇用安定事業 ②能力開発事業 ③雇用福祉事業)として、失業の予防や雇用機会の増大・労働者の能力開発を進めるための事業を行い、会社や従業員に還元しようとしている。

昨日、厚生労働省から、これら3事業による平成16年度・各事業の評価が発表された。それによると、80事業のうち今後見直すべきものは33事業で、41.3%にもなる。7割強の事業が目標を達成しているが、事業執行率で見ると、当たり外れが大きいようだ。

たとえば、、「中小企業基盤人材確保助成金」。これは、かつての「助成金バブル」の原因ともなった制度がグレードアップしたものだ。創業・異業種進出などで従業員を雇った場合に、賃金の一部が助成されるという制度である。ボーナスを除いた年収が350万円以上で、専門的技術・知識を持っているか、係長相当職以上の「基盤人材」を雇わなければならない。その上で一般人材を雇えば、そちらも受給対象となる(基盤人材140万円・一般人材30万円)。グレードアップした分使い勝手が悪くなり、案の定、事業執行率は15.4%に過ぎない。ちなみに、同じ制度の介護分野バージョンの場合、98%である。

この制度に限っても、創業・異業種進出の証拠のため、経費を300万円以上負担するという要件がある。パソコン数台だけでも、きちんとした商売ができるご時世にもかかわらず、だ。また、人を雇い入れるのも、計画書等の提出・認定後でないといけないので、実際の事業開始とのタイミングが合わないことがある。さらにいうと、ちょっとでも助成金がほしいという会社で、最初から350万円以上の給与が出せますのん。こういうところが、「使い勝手が悪い」といわれる所以だ。

私は、助成金業務については、「情報は提供するが、積極的にはやりません」というスタンスである。開業当初、主要なものはいくつかやってみたが、ストレスばかり溜まって、どうも向いていないと判断した。ここだけの話だが、最初から助成金をアテにして何ぞ始めるような会社は、イマイチである。びびんちょなので、思わず声が小さくなってしまった。たまにお声を掛けて下さる方もあって、本当にありがたいことではあるが、ご遠慮申し上げている次第だ。

離職者の割合が少ないとか、就職困難者を積極的に雇った会社に対しては、雇用保険料率を下げるなどの制度の方が、嬉しいのではなかろうか。

社長も労災に入れます

社長は大変だ。事が起これば、JRみたいに謝りたおさねばならないし、資金繰りやら何やらで頭や心を痛め、そうそう踏ん反り返ってもおられない。中には、従業員と同じように汗水流して働く方もいらっしゃる。

従業員とほとんど変わりなく働いていれば、仕事中にケガをする確率なども同じだが、個人の中小事業主やその家族、法人の代表取締役・役員は、原則として労災保険に加入することはできない。しかし、「特別加入」をすれば、一般の従業員と同じく労災の適用が受けられる。

特別加入をするには、「労働保険事務組合」を通じなければならない。業界団体や偉いさんの社会保険労務士などが事務組合を作っている場合が多いが、偉くない私でも、特別加入の手続きができる。というのも、大阪府会登録の社会保険労務士で作る「大阪SR経営労務センター」に加入しているからだ。

大阪SRを通じて特別加入する場合、労働保険料以外に、入会金(初年度のみ年間10,000円)・会費(月額2,000円)が必要。ただし、労働保険料額にかかわらず、分割して納付することができる(本来なら年間40万円以上)。

今日は何やら宣伝モードのようだが、そうではない。保険料の滞納などされると、私が大阪SRからお叱りを受け、大迷惑を被るので、特別加入については、ご紹介を受けた事業主の方に限らせていただいている。また、傍から見て誰が社長かわからん、というぐらいに働いていないと、かえって保険料や会費がもったいない。民間の「入れます」とかいう保険にお入りいただいた方がお得なことだってある。

配達記録で送った納付書まで失くされて、泣く泣く再発行を頼んだという経験もあるのだ。担当のお姉さんは「はいはい、いいですよ~」と言ってくれたが、絶対心の中では「ええ加減にせぇ」と思っていたはずだ。