事業をやめる時の手続き ~社会保険

ご存知のように、社会保険料は、会社・従業員がそれぞれ半分ずつ負担している。財政事情が厳しいため、ボーナスも給与と同じ料率になったし、厚生年金保険料率にいたっては、平成29年まで毎年引き上げられることになっている。こうなると、負担に耐えかねて、「社会保険なんかやめたろか」と思う会社が出てくるのも無理はない。

しかし、今日のお題は、社会保険をやめる目的で事業をやめる(またはやめるフリをする)というような方のためのお話ではない。くれぐれも誤解のなきように。諸般の事情で、事業をやめる場合の手続きについてである。

まあ、世の中にはあれこれズルいことを考える人がいるので、実態確認のため、「適用事業所全喪届」に次のいずれかを添付しなければならない。<雇用保険・適用事業所廃止届の事業主控 または 解散登記の記載がある登記簿謄本(どちらもコピーOK)> あとは、被保険者の資格喪失届と全員の保険証を添付すれば完了。

労働保険に加入している(つまり従業員がいる)会社は、先に労働保険の精算・雇用保険の廃止の手続きをしないといけないということだ。上の2つをどうしても添付できない場合は、解散・休業等の異動事項が記載されている法人税・消費税異動届などでもOKらしい。だが、この辺りになってくると、ズルの裁量が増えてきそうで・・・くわばらくわばら。

ところで、役所に書類提出に行く時など、地図を片手にオリエンテーリング状態になることがある。前に京都の労働基準監督署へ行った時。地図を見てもわからず、近くの派出所で聞くと、「方広寺の鐘の横を抜けた所ですわ。よう聞かれますな~」。どうにかこうにか「国家安康 君臣豊楽」の鐘を探し出し、人一人通れるのがやっとの路地を抜けると・・・、あった。でも、こんな所、絶対にわからん。景観を損なわない程度に看板ぐらい掛けても、バチは当たるまい。

「赤紙」にご注意!

ほとんどの会社は、先週のうちに、管轄の社会保険事務所から「算定基礎届」が届いているかと思われる。10人未満の会社には源泉所得税の特例納付(7/11まで)もあるけれど、この算定基礎届の提出(7/1~7/11)が終われば、しばらくはややこしい事務作業から解放される。やっほ~。

「算定基礎届」は、1年に1回、健康保険・厚生年金の保険料や保険給付額の基礎となる「標準報酬月額」を見直すための書類だ。毎年4月に賃金改定をする会社が多いことから、4月から6月に支払われた報酬を報告。この報告を基に、9月から来年8月までの標準報酬月額が新たに決められる。原則的な控除方法の場合、10月支払いの賃金から保険料に反映することとなる。

5月26日にも書いたように、報告する報酬の中には、残業手当や歩合給など毎月変動するものも含まれる。今後1年間の保険料に影響することもあるので、来年からご注意を。

さて、月末支払いの会社も、今週中には給与計算が終わる。そろそろ作成準備にとりかからなければならない。書類には、既に氏名等が印字されているが、対象となるのは、7月1日現在の被保険者全員。ただし、6月1日以降に加入した人は、加入時の賃金で決定されているため、届け出なくてもよい。

ここで注意が必要なのは、 ①3月以前の未払い給与・昇給分の差額などを4月から6月に支払った ②通勤手当をまとめて支払っている ③食事・定期券など現物の支給がある ④年4回以上の賞与を支払っている ・・・などなど、ややこしいことをしている会社である。金額を除外するやの、1ヶ月あたりの金額に換算するやの、あれこれやらなければならない。

そして、さらなる注意事項。算定基礎届の封筒の中に、いわゆる「赤紙」が入っていないかどうか。大当たりすると、賃金台帳や出勤簿(タイムカード)・源泉所得税の領収証などを持って指定日に出頭しなければならない。本来加入義務のある人が洩れていないか、月額変更の手続きを忘れていないか、などをチェックするための調査である。

ありがたい?ことに、今のところ、私の関与先はハズレばかり。封筒の中身を今一度確認していただきたいものだ。